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大阪ビル放火

2021年12月17日、大阪市の繁華街「北新地」の雑居ビルで火災が発生し、容疑者を含む27人が死亡しました。

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変わらぬ喪失感、今も苦しむ遺族 大阪・ビル放火殺人2年

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放火事件のあったクリニック=大阪市北区で2021年12月23日午前10時9分、藤井達也撮影 拡大
放火事件のあったクリニック=大阪市北区で2021年12月23日午前10時9分、藤井達也撮影

 大阪市北区の繁華街・北新地の雑居ビルに入る心療内科クリニックで26人が死亡した放火殺人事件は17日、発生から2年となった。容疑者も煙を吸うなどして死亡し、刑事裁判は開かれなかった。遺族は今も、やり場のない怒りと深い喪失感に悩まされている。

 現場のビル前ではこの日、花束や飲料水のペットボトルが供えられていた。犠牲になったクリニック院長の西沢弘太郎さん(当時49歳)の妹伸子さん(46)は持参した簡易机の上で線香を手向け、お経を上げた。心の不調を訴える人たちに兄のように寄り添いたいと、12月から僧侶の修業を始めている。15分以上かけて読経を終えると、ビルを見上げて改めて手を合わせていた。

 事件では、心身の不調で離職し、復職を目指してクリニックに通っていた患者が多数巻き込まれた。その一人だった夫を亡くし、幼い子どもと残された女性は、「言葉が巧みになった」という子どもの成長に2年という歳月を実感する。しかし、そこに夫の姿はない。「子の成長を一緒に見られなかった寂しさや悲しみに襲われる。かと思えば、暮らしの至るところに彼の面影を見つけ、ついさっきまで一緒にいたように感じる。毎日がその連続です」と語る。

「遺族の立場、一生続く」

 放火したとされる谷本盛雄容疑者(当時61歳)は事件の13日後、死亡した。孤立や困窮で自暴自棄になり、自身も患者として通院していたクリニックで大量殺人を実行したとみられている。

 何の落ち度もない夫を殺害されたのに、女性は法廷で容疑者に真相を問いただすことも、損害賠償を請求することもできない。一方、国が「犯罪被害給付制度」に基づいて遺族に支給する給付金は見舞金の性格が強く、十分ではない。「遺族の立場は一生続く。その場しのぎではなく、多岐にわたる長期的な支援を」と訴えている。【洪玟香、林みづき】

【大阪ビル放火】

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