戦国ビッチピンボール6

第3号被保険者は「保険料を納めていない」のか

重原正明・第一生命経済研究所研究理事
専業主婦の女性=曹美河撮影
専業主婦の女性=曹美河撮影

 「保険料を納めていないのに年金がもらえる」と非難される第3号被保険者(会社員や公務員など厚生年金の加入者である第2号被保険者に扶養されている配偶者。3号)の制度が議論されています。

  第一生命経済研究所研究理事の重原正明さんは、「納めていない」わけではないと言います。重原さんに聞きました。【聞き手・須藤孝】

 ◇ ◇ ◇

「納めていない」わけではない

 ――1985年に3号の制度が創設された理由を教えてください。

 重原さん それまで年金制度の枠に入っていなかった専業主婦をどうするかということからできました。国民年金への加入も任意でしたから、将来無年金者になる恐れがあります。救済の意味がありました。

 ――保険料を納めていないという非難はどうでしょう。

 ◆誤解があります。たしかに自身では保険料を納めていませんが、扶養している配偶者などが代わりに保険料を納める形になっています。配偶者の厚生年金から被扶養者の分も含めて基礎年金におカネを拠出しているのです。

 年金財政上は「納めていない」わけではありません。

他人の配偶者の分まで

 ――しかし、自身で納めてはいないので給付との関係があいまいです。

 ◆その点はさまざまな問題があり…

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第一生命経済研究所研究理事

 専門は社会保障、リスク管理・保険数理。1987年東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。同年第一生命保険入社。2010年第一生命経済研究所出向。21年4月より現職。